1927年Armando José Tagini作詞、Juan José Guichandut作曲の作品です。Las casas porteñasという19世紀後半のスペインの伝統的な建築様式を模した家は複数の居住者のための建物でした。中庭は午後の社交的な集まりに使われていて、人形劇も行われていたのでしょう。そこに住んでいながら知らないうちに去ってしまった娘の思い出がマリオネットと混じり合って歌われています。
Tenía aquella casa no sé que suave encanto
あの家には何とも言えない柔らかな魅力があった
en la belleza humilde del patio colonial
植民地時代の中庭の質素な美しさに包まれて
cubierto en el verano por el florido manto
夏には花でできた外套に覆われていた
que hilaban las glicinas, la parra y el rosal…
その外套はマメの花、ブドウの花やバラを織り込んでいた
¡Si me parece verte! La pollerita corta,
君が見えるようだよ! 短いスカートと
sobre un banco empinadas las puntas de tus pies,
ベンチの上に乗せられた君の両足のつま先
los bucles despeinados y contemplando absorta
下ろされた髪 そしてうっとり見つめていた
los títeres que hablaban inglés, ruso y francés.
マリオネットたちは話していた 英語、ロシア語そしてフランス語
(繰り返し)
¡Arriba, doña Rosa!…
おいでなさいローザ奥さん!
¡Don Pánfilo, ligero!…
パンフィロの旦那も急いで!
Y aquel titiritero
そしてあの人形師は
de voz aguardentosa
そのガラガラ声で
nos daba la función.
私たちに劇を披露した
Tos ojos se extasiaban:
君の両目は恍惚としていた
aquellas marionetas
あれらのマリオネットたちは
saltaban y bailaban
飛び跳ねて踊った
prendiendo en tu alma inquieta
君の休みない心を照らしていた
la cálida emoción…
温かい感情だった
Los años de la infancia risueña ya pasaron
楽しかった少年時代は過ぎて行った
camino del olvido; los títeres también.
忘却の道を辿って 人形師もまた同様だった
Piropos y promesas tu oído acariciaron…
お世辞と約束が君の耳を撫でていた
Te fuiste de tu casa, no se supo con quién.
君は家を出て行った、誰と一緒だったのか誰も知らなかった
Allá entre bastidores, ridículo y mezquino,
そこに 舞台の袖の間に、馬鹿らしくもみすぼらしく
claudica el decorado sencillo de tu hogar…
君の家の素朴な飾りが揺れている
Y vos, en el proscenio de un frívolo destino,
そして君は取るに足らない運命の舞台の上の
sos frágil marioneta que baila sin cesar
終わりなく踊り続ける壊れそうなマリオネットなのだね
glicina — グリシン、マメ科の植物
sos — serの二人称単数現在 vosを受ける